YAMASA通信 No.43 2001年10月1日(月) YAMSA言語文化研究所・隔月発行
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「レノンが歌った“イマジン”、ディランが歌った“風に吹かれて”は今何処に」
加藤達也  アメリカで痛ましい無差別殺人事件が起きた。私は友人からのEメールでその事件を知った。それ以外にはこの事実を知る機会はなかったかも知れない。
『ニューヨークの事件、悲しいです。最近はフロリダもかなり物騒になってきてる。サウジアラビアの人が殺されたりして、ほんと怖いです。アメリカ人の怒りも分かるけど、私にはサウジアラビアの友達がいるの。あの国はほんとうに規律が厳しくて、テロリストなんかいたら法律で死刑になる。でもこっちの人はそんなこと知らないからアラブ系って理由で無差別に殺したり、アラブ人の家に銃弾を撃ったり。かなり悲しいです。』
 私は97年から99年にかけて海外を旅行し、このメールをくれた友人とは97年9月にジャワ島の小さな漁村で知り合った。それ以来会っていないが、連絡が続いているおかげでこうしてひとつの事実を知ることが出来た。
 テレビでは、星条旗に火を放ち喚起するイスラム教徒の姿が映し出される。「イスラム世界における反米感情の背景には、情報操作による群集の扇動がある」とコメントが加えられる。しかし一方で、こうした映像がフロリダで隣人に銃口を向けさせるに至った憎悪を煽ったという構図が皆無であったと言えるであろうか。一人の人間の命を奪った謂れ無きこの銃弾と、大国が正義の名の下に振り上げる拳とは、その源泉において本当に理性で区別されているのだろうか。
 卑劣なテロリズムには強い憤りを覚える。絶対に許すことは出来ない。そして友人から聞いた通り、もう既に報復は始まっている。全く関係のない人々が犠牲になっている。そしてすぐにロンドンからも同様の話が届いた。テロリストと異人種・異教徒の区別もつかずに報復するこうした未熟さは他者への無理解から生じるものであろう。
加藤達也  確かに異質なものを理解することは難しい。過去に自分が一度も触れたことのない諸観念を行き成りに理解することは非常に困難だ。一度言葉を介してしまえば、それは今自分が持っている概念に形を変えて吸収されることになるし、全ての問いに対し、すぐに明快な答えを求めない寛容さと忍耐強さも必要とされる。新しいものを自分自身で体感し、批判せず、加工せず、そのまま受けいれる作業が肝要なのだ。

 ここでYAMASA通信6月号で触れた"引き出し"をひとつ開けて紹介したい。
 98年秋、私はパキスタンにいた。その時期イスラム圏を旅行していると、「お前はアメリカ人か?」と聞かれることが多くなった。アメリカ大使館連続爆破テロに対抗して、スーダンとアフガニスタンにアメリカが巡航ミサイルを撃ち込んだからだ。ほどなくして「近くで外国人旅行者がアメリカ人に間違えられて殺された」というニュースを耳にした。政情が不安定であったり、治安が悪い地域では、単独の長期旅行者たちも状況に応じてグループを形成して移動するようになる。アフガニスタン国境付近の町ペシャワールで、私は現地に精通した絨毯ブローカーと一緒に旧市街に部屋を取っていたが、その町から移動するにあたり、連れ合いを探そうと新市街にある外国人のよく利用するゲストハウスを訪ねた。そしてそこでアフガニスタンを旅行してきたグループと知り合い、話を聞くことが出来た。

 彼らの話によると、入国したその日の深夜、滞在中のホテルに4人の武装したタリバン兵士が押し入ったそうだ。兵士はビザがタリバンビザ(旅行者間での通称)であることを確認し、自動小銃の銃身で荷物を全て広げるよう指図すると、カセットテープ、外国の雑誌、新聞などといった、イスラムの教義と相容れない可能性があるものだけを押収して去って行ったと言う。加藤達也この兵士たちの目的は外国人の命でも、その金品でもなかった。そんな話を聞いていると突然、外が騒がしくなって小間使いの少年が血相を変えて部屋に飛び込んで来た。「一番奥の部屋に隠れて!」少年が拙い英語で説明するところによると、外で群集が「アメリカ人を出せ!」と息巻いているらしい。我々はとりあえず姿を見られないように部屋に入った。その時、宿の主人がショットガンを担いでゲストハウスの屋上に上がって行くのとすれ違った。「心配ない」と言わんばかりに彼の目は冷静そのものだった。主人がショットガンを空に向けて撃つと、群集が静まるのが部屋の中にいても分かった。そして彼は群衆に向かって何かを宣言するように声高に叫び、それに続いて何かを問いかけ始めた。しばらく激論が続き、やがて三々五々群集は散り、事態は収拾した。我々には何の経過説明もなく、主人はまた椅子に深く腰掛けてテレビに見入った。少年が「もう大丈夫だよ。」と我々に告げた。
 そう、あの場所は確かに辺境の地にある一軒の小さなゲストハウスに過ぎなかったのかも知れない。がしかし、異質なものを根本に持つ社会の、異なるネットワークの接点になっていることには間違いない。その中であの主人は両者をよく理解し、独り間に立ち、本当は分かり合える目には見えない心の溝を埋めてみせたのだった。 追記:これを書いて10日ほどしてから、ようやく中日新聞朝刊(9月27日)に『ヘイト・クライム(嫌悪犯罪)』が記事として掲載された。

 (YAMASA言語文化研究所 加藤 達也)


 ●●● ホームステイ受け入れのお願い ●●●
 YAMASAでは国際交流の一環としてホームステイの受け入れ家族を幅広く募集しています。異文化のふれあい、日本の再発見には絶好の機会となります。ひとりでも多くの学生が日本に一層興味を持ち、この地域との交流が盛んになればと思っております。週末の一泊二日から受け付けておりますので、是非、この機会に異文化体験はいかがでしょうか。

 ●●● 岡崎国際交流会特集 ●●●
 六ツ美北部小学校
クリスティーナさん
クリスティーナさんへ
ハンガリーの事を教えてくれてありがとうございました。とてもいい勉強になりました。私が一番びっくりしたのはハンガリー語や服装が日本と似ている事です。また学校に来たらハンガリーの事をもっとたくさん教えて下さい。また会える事を楽しみにしています。
磯谷 慶子
ジョセフさん
ジョセフさんへ
いろいろお話をして下さってありがとうございました。おかげでアメリカの事やジョセフさんの思っている事がよく分かりました。この前のトランプのババぬきはおもしろかったですか?本当はジョセフさんを勝たせたかったのですが、ジョセフさんは負けてしまいましたね。またいつかジョセフさんとババぬきをやるときは、ジョセフさんが一番になるといいですね。
小野 晴香
曽 佳貞さん
曽 佳貞さんへ
今日は交流会へ来て下さって本当にありがとうございました。私は仲よくなれるか心配だったけど曽さんがとても楽しくて優しい方だったのでとても楽しかったです。短い時間だったけど、曽さんと過ごせてとても良かったです。私のニックネーム(ちーこ)も覚えてくれてありがとうございます。また会いたいです。
一宮 千鶴
リタさん
リタさんへ
リタさんに貰った中国の遊び、今もずっとやっています。パーティーでは腕相撲のゲームをやりましたね。僕は接戦で負けてしまったので、また会って対決したいです。リタさんが帰国してしまうのはすごく寂しいけど、リタさんの用事なのでしょうがないです。また会えるのを楽しみにしています。本当にありがとうございました。
柳井 祐太
リリーさん
リリーさん
「爆弾ゲーム」は楽しかったですか?短い時間だったけど私はもっと遊びたいなぁとすごく思いました。リリーさんは日本語がとてもうまいと思います。今度また来る機会があるならぜったいに来て下さい。もっとお話や遊びをしたいです。
市沢 可南子
呉 漫さん
呉 漫さん
中国のお話ありがとうございました。私は中国が大好きで、将来中国語を覚えて中国語で書かれた「封神演義」を読んでみたいと思っています。他にも「水許伝」や「三国志」「西遊記」も読みたいです。国際理解の学習のためだけでなく、私の楽しみでもあるのが「中国を知る事」です。再見!
奥西 由貴
ジョアンナさん
ジョアンナさんへ
交流会へ参加して下さってありがとうございました。私は交流会が初めてなのですごく緊張しました。腕相撲やおしゃべりをして過ごした時はあっと言う間でした。とてもいい経験でした。シンガポールに帰っても私達のことを忘れないで下さい。本当にありがとうございました。
川澄 優
リュウさん
リュウさんへ
僕はリュウさんとはあまり話せなかったので、次に会う機会があれば僕と話して下さい。話は変わりますがドッヂボールやカードゲームは楽しかったのですか?僕は負けて悔しかったけど楽しかったです。日本語は上手になりましたか?日本語の勉強を頑張って下さい。
内藤 雄一朗
イ・ジスクさん
イ・ジスクさんへ
お手紙をどうもありがとうございました。今回は違うチームだったけれど手紙をもらえてとてもうれしかったです。僕は今足をねんざしていて、剣道にあまり出れないけど、今度来たときは一緒に剣道をしましょう。お体には気をつけて下さい。
藤山 貴博
イさん
イさん
韓国ではサッカーがはやっていると聞いてすごくうれしかったです。僕はワールドカップを楽しみにしているけど、イさんは楽しみですか?また会える日を楽しみにしています。
原 雅人
ハンさん
ハンさんへ
私は5回、韓国へ行ったことがあります。韓国では辛いものが大好物ですが、私は辛いものは嫌いです。韓国語はちょっとだけしかしゃべれません。韓国のゲームができてうれしかったです。また韓国に行きたいです。ありがとうございました。
牧野 康代
シャインさん
シャインさん
シャインさんの持っていたいろんな国の言葉が分かる機械を見せてもらいましたね。あれを見た時はびっくりしました。「とんとんゲーム」は楽しかったですか?シャインさんのお友達とやってみて下さい。シャインさんの教えてくれたゲームもみんなでやりたいと思います。
中谷 未来
フィリップさん
フィリップさん
お話をしている時、僕だけがおかしを食べていて、「おいしい?」と言われたのではずかしかったです。「イスとりゲーム」のとき、フィリップさんがスイスの歌を歌ってくれたのでうれしかったです。僕は2回もバツゲームをくらいました。とてもおもしろかったです。そして痛かった。
林 ゆう太
ロさん
ロさんへ
パーティーは楽しかったですか?何が一番楽しかったですか?僕はマジックショーです。質問ではいろいろ教えてくえてありがとうございました。中国のおすすめ料理もわかったので良かったです。
植村 駿介

★★六ツ美小学校の皆さんへ★★
「本当に楽しかった、ありがとう」とYAMASAの皆は言っています。
もっと日本語で皆と話ができるように頑張ります。またお会いしましょう。
YAMASA学生一同


 ● 人物紹介 ● 中山さん(ホームステイ)
岡崎市内在住の中山さんご一家は、この夏初めてホームステイ受け入れを体験されました。4週間のプログラムを終えたところで、新鮮で率直な感想をお伺いしました。


 「ただいま〜」の私のひと言にたどたどしい日本語で「オカエリナサーイ」のフイッツイの返事。普段は仕事から帰っても聞くことのない言葉に、とっても暖かいものを感じた1ヶ月でした。8月10日のバーベキューに始まり、日本人の若者の中にブロンド&白人のドイツ人!んー、果たして彼をこの先1ヶ月ちゃんとフォローしてあげられるだろうか?と、半信半疑で不安な始まりでしたけれども。
 彼は片言の日本語、私達は片言の英語。お互いどこへ出かけるのも“Do you have a dictionary?”が合言葉でしたね。でも、持ち前の明るさとジョークを交えた彼のトークは難なく私達中山家にとけ込んでくれました。そこで、感じたことは「外国の人ってなんて人懐っこいのかしら?」そう、見習わなくっちゃ!!!!
 フイッツイとは、岡崎城、大樹寺、名古屋城、高島屋、栄、イオン、その他面白い所としては、プリクラ、カラオケ、居酒屋、盆踊り、抹茶喫茶、100円ショップ、スーパーマーケットと、いろんな所に行きました。フイッツイは、本当に前向きに日本語を学ぼうと努力していましたね。特に頭が下がったのは、“日本”を研究してきたことです。
 毎日ランチ&バナナ&日本茶をリュックに入れて「イッテキマース」と元気のいい声で通学していました。YAMASAへ行くことをいつも楽しみにしていました。「本当にこの暑い時期によく頑張りましたね!ハナマルです。」と伝えたいです。
 娘の詩保、息子の拓哉とも兄弟のように仲良くしてくれて本当にうれしかったです。一番うれしかったのは、フイッツイ手作りの“ミルクライス”を私の帰宅時間に合わせて作っておいてくれたことです。(ウルウル・・)どれひとつとっても思い出深いことばかり。笑いの絶えない1ヶ月でした。私達が教えるというより、教えられたことがたくさんありました。ありがとう。いまだに「タダイマー」の元気のいいフイッツイの声が聞こえそうで…。私たち家族皆寂しがってます。「フイッツイよ!あなたの前向きな姿勢で、何でもどんどん経験して、一回りも二回りも大きく成長してください。楽しみにしています。私たちもあなたに負けないよう、これからも頑張るつもりです。」こんな中山家で十分にお世話できなかったこと、申し訳なく思っています。私ももっとドイツ料理勉強しなくちゃね!ハハハ。この短い期間で少しでも日本の文化を感じていただけたなら幸いです。ありがとうございました。
 この場を借りて、子供の友人、主人の友人、私の友人、親戚の皆様、本当に御協力ありがとうございました。そしてYAMASAのスタッフの皆さん、いい経験をありがとうございました。


日本語能力試験1級(外国人用)に挑戦してみよう!
・次の下線をつけた言葉は、どのような漢字を書きますか?
同じ漢字を使うものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
問1 買い物をしたら、りょうしゅう書をもらってきてください。
1. 銀行でりょうがえしてきてくれますか。
2. チーズにはりょうしつのたんぱく質がふくまれている。
3. 登録するのにてすうりょうがかかりますか。
4. あの教授の専門りょういきはかなり広い。
問2 あの車の止め方は交通規則にいはんしている。
1. あんなひどいことをしたのに彼は全然はんせいしていない。
2. この事件のはんにんは男女二人組だとわかった。
3. 当駅での定期券のはんばいは23時までです。
4. 私のはんだんが正しかったかどうか、いずれわかるだろう。
問3 あの論文のないようはだいたいわかった。
1. 彼の弟は、まだようちえん児だ。
2. 証明書のほしい人はこのようしに記入してください。
3. 人が生きるためには水がひつようだ。
4. 毎日井戸から水を運ぶのはよういなことではない。
※答え  問1  4
問2  1
問3  4

ホストファミリーを募集しています。詳しくは黒河までご連絡ください。
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