YAMASA通信 No.46 2002年4月1日(月) YAMSA言語文化研究所・隔月発行
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「一期一会」
 日本語学校でも3月は学年度末に当たり、今春も多くの人たちが新しい世界に向けて旅立っていくのを見送った。YAMASA言語文化研究所には世界中の様々な国から学生がやって来、そして勉強を終えると、各自銘銘の次の目標に向かって去っていく。自分の国に帰る者もいれば、日本で進学や就職をしたり、また、新たな勉強や仕事のために第三国へ向かう者もいる。そして4月には、送り出した数より多くの学生を迎え入れ、また新たな出会いが巡ってくる。皆がYAMASA言語文化研究所を、そして岡崎を勉強の場として選んでくれたことに感謝し、真心を持って見送り、そして迎えたい。
 ほとんど全ての新入生とは入学時に初めて顔を合わすのだが、彼ら彼女らとの最初の接点は、何ヶ月も前に、時には1年以上前に遡る。卒業生からの紹介、雑誌広告、ホームページ、海外の日本語学校や大学からの紹介など、新入生とYAMASAとのファーストコンタクトの形は様々だ。そして、インターネットを通じての学生募集では、ファーストコンタクトの瞬間には、その後自分が岡崎で日本語を勉強することになろうとは思ってもみなかったケースもある。
 情報を検索する時、インターネットは非常に便利だ。的を射た検索語を入れれば、たいていのことについて必要な情報を得ることができる。しかしこれは、ネット上に既にある情報を検索しているのであって、その量は計り知れないほど膨大なものではあるかも知れないが、それが有限であることもまた事実である。そして、的確な検索語が思い当たらなければ、欲しい情報を確実にヒットさせられない。だが、情報ソースとしてのインターネットの利用価値を、本当に無限大にするものがある。それは、ネットの向こうには、実は人が居るという当たり前の事実だ。
 YAMASAのホームページもアクセス数が13万件を越えるほどになっているので、毎日世界中から実に様々な質問を頂戴する。もちろん、YAMASA言語文化研究所に関する問い合わせがほとんどだが、全く関係が無いものも少なくない。ある時、英語でこんな質問が寄せられた。
“Dear Yamasa, I took this photo the other day in Tokyo, outside Asakusa temple. I was wondering if you could tell me what the name of the bowl in the middle of the picture is? There was incense burning in it, and people were wafting the smoke over their bodies (over their heads, mainly). Thanks very much.”  写真を見て「香炉」だろうとは思ったが、確信を持って答えるためにも、裏を取るべくいつも通りネットで検索することにした。たいていの場合即座に解決するのだが、このケースでは、あの手(語)この手(語)で検索してもなかなか満足できる答えが見付からず、結局行き詰まってしまった。ひとつの質問になかなか時間を割いてもいられなかったので、自分でできるだけのことはやってみて、そして頭を切り換えた。「きっとどこかに知っている人がいるはずだ。丁寧に事情を説明してお願いし、教えてもらおう。」そこで、一軒の仏具問屋さんを検索し、Eメールで問い合わせることにした。『貴社益々御清栄のこととお喜び申し上げます。突然このようなメールをお送りする段お許し下さい。云々。』続いて自己紹介をし、簡潔で丁寧に、心を込めて書いた。すると嬉しい事に、翌日返事が届いた。『加藤様。添付の写真は、名称は「香炉」です。商品的には「外置き屋根つき香炉」です。有名なものでは東京浅草観音の本堂前が一番写真的には多いと思います。お返事遅くなり申し訳ございません。また何なりとお問い合わせください。(以上全文)』これはその会社の社長様からで、送信時刻を見れば夜の10時近い。全く銭になるとも思えない質問に、こんなに丁寧にお答え下さって、正直なところ感動した。その会社の場所は京都だったが、直接伺ってお礼を申し上げたいぐらいだった。すぐさまお礼のメールを書き、最初に写真と質問を送ってくれたまだ見ぬ人にも、すぐにメールを書いた。
 YAMASAにこの質問を送ってくれた人にとって、この答えがどれほど重要だったかは分からない。何のための質問だったかも分からない。もしかしたら、別の人に調べて欲しいと頼まれただけだったかも知れない。仕事の時間を割く金銭的価値があったかどうかは、何とも答えられない。しかし少なくとも、私自身について言えば、自分が問い合わせてみて、すぐに答えが返ってきたら嬉しいと実感したし、この仏具問屋さんの名前をしっかりと覚えた。
 もし最初の質問者の方がいつか将来日本に留学しようと思い立ったなら、この一件によって、きっとまず最初にYAMASA言語文化研究所の名前を思い浮かべてくれるものと信じている。そして、毎回新入生を迎え入れる度に、彼ら彼女らとのファーストコンタクトの瞬間を思い出しながら、一期一会の縁をありがたく噛み締めるのである。
 (YAMASA言語文化研究所 加藤 達也)


岡崎聾学校国際交流会 平成14年2月15日
 YAMASAの学生が自己紹介をしています。聾学校の学生達は「読話」や、先生の「手話」で名前を覚えてくれました。

各班に分かれ、バトミントンをしています。皆、負けまいと一生懸命です。

教室にてYAMASAの学生への質問タイム。とてもおもしろい質問や答えが出ました。「ゲーム(ソフト)は持っていますか?」という質問に対してブラッドさん(男性)は「プレイステーション ツウ」と言い、ソフトは「電車でGOー」と答え、岡崎聾学校の皆は大喜びでした。

この他、バトミントンの順番を待っている学生達は、ホワイトボードを使いながら筆談でコミュニケーションをとっていました。岡崎聾学校の生徒さんたちは英語で書き、YAMASAの学生はひらがな・カタカナで書いて、とても楽しく国際交流ができたと思います。

岡崎聾学校の皆様、本当にありがとうございました。
YAMASA言語文化研究所


平成14年2月22日(金)

各クラスの代表者が、あおいホール壇上にてスピーチをしました。
「日本」という国をいろいろな目線で観察をした様子が伺えます。
題からも分かるように、大変ユニークなスピーチ大会となりました
。最優秀賞スピーチ原稿を掲載します。4ページ目をご覧下さい!
<各クラス代表者>



日本での小さな喜び「自動販売機」:ボブ ペンサックさん(アメリカ)
 はじめて日本に遊びに来たのは5年前でした。日本に着いたら、環境も人々もアメリカと違って、新しい世界を発見したような気がしました。今も、その事を昨日のように覚えています。アメリカで日本語と日本の習慣を少し勉強した事もありました。たとえば、トイレのスリッパをはいたまま、たたみの上を歩いたり、ご飯にしょう油をかけたり。今、はじめて日本に来た時を思い出すと笑ってしまう失敗もたくさんあったけど、同時にいい事もありました。
 「どうして日本語を勉強していますか?」とよく聞かれました。たくさん理由がありますが、まず言うのは「日本が好きですから」ということです。「日本の何が好きですか」と次に聞かれると、私は「日本の自動販売機が好きです」と答えます。日本の自動販売機は日本人にとって普通の物にしか見えないかもしれませんが、私にとって特別に思えます。もちろん、アメリカにも自動販売機がありますが、壊されてしまい、どんどん少なくなって「たまごっち」のように絶滅しそうです。日本で自動販売機は、駅のホーム、学校の外、お店の中、どこでもあります。皆さん、富士山の頂上にもあるらしいです。ジュース、タバコ、アイスクリーム、お酒、お米などが売られています。何と下着や楽しいビデオもありますよ!でも、寒い冬といえば、缶コーヒーです。それを見かけると、大喜びをします。その中のきれいな缶コーヒーは、私が来る時を待っているかのように並んでいます。私は寒さでカチカチになった指先でポケットの中から100円玉1枚と10円玉2枚を取り出してお金を入れます。値段は自動販売機によって違います。コーヒーにはいろんな種類があって、それぞれ味と特徴が違います。例えば、ダウンタウンという日本のお笑いタレントがニコニコ笑っている缶は大人っぽくて苦い味です。細い茶色の缶は、牛乳と砂糖がたくさん入っていて、子供っぽくて甘い味です。「僕を飲むと目が覚めるよ」と言っているかのような「fire」というコーヒーもあります。どれにするか、いつも迷ってしまいます。一本の缶に私の目が引かれたら、ボタンを押してコーヒーがガタガタ落ちる瞬間がまちどおしいです。手にしたコーヒーを久しぶりに会った恋人のように見つめます。「どうして彼女と別れたのかな。」と思い出そうとしてもなかなか思い出せません。でも、缶で手を暖めながら、彼女の暖かさを思い出します。そんな事を考えながら、ふたを開けると、コーヒーの甘い香りがします。私の子供のころのお父さんの香りです。昔の恋人がいれてくれたコーヒーの香りです。はじめて、アパートを借りて、飲んだコーヒーの香りです。その香りを味わってから、目を閉じて、キスのように一口で飲んで舌つづみをうちます。体が暖かくなり、外の寒さを忘れます。
 みなさんもこのようにある物の中にいい思い出があるでしょう。寿司、ラーメン、温泉、こたつ、日本での小さな喜びが私の周りに盛りだくさんです。新しい小さな喜びを見つけるのを楽しみにしています。日本人でも、外国人でも、何年日本にすんでいても、来たばかりのような気持ちで探せば、日本の小さな喜びが見つけるでしょう。


日本語能力試験1級(外国人用)に挑戦してみよう!
・次の下線部にはどのような言葉を入れたら良いか?
1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
問1 「ご飯ですよ」と母が言う   、妹はテーブルについて、スプーンを持つ。

(1)限り  (2)とたん  (3)が遅いか  (4)が早いか
問2 外国からのお客様を   、銀座でウィンドウショッピングをした。

(1)案内するがてら(2)案内なので (3)案内だから (4)案内かたがた
問3 将来どんなに、つらいことが   、くじけずがんばります。

(1)あると  (2)あろうが  (3)あるが  (4)あったが
問4 こんなに盛大な結婚式を挙げることができて、   限りだ。

(1)感謝する  (2)うれしいの  (3)喜ぶ  (4)うれしい
※答え  問1  4
問2  1
問3  2
問3  4

ホストファミリーを募集しています。詳しくは飯島までご連絡ください。
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