| YAMASA通信 No.47 2002年6月1日(土) YAMSA言語文化研究所・隔月発行 | |||||||
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| 「“いただきます”の意味」 | |||||||
私の所属している「YAMASA食品安全研究所」では、全国約7000人の学校給食や病院給食に携る栄養士さんを読者として、月2回、大量調理や食中毒防止の為のニュースを流し続けています。ニュースは、すでに80号以上の発行を重ね、読者の皆様からも様々なご質問が寄せられて来ますが、研究所と言っても、私たちの場合は、既に世の中に存在し、確立されている情報を必要とする皆様に広くご理解頂く事を、基本的なスタンスにしていますので、正確には、「食品安全情報センター」と銘打った方が良いかも知れません。 もちろん、様々なご質問が寄せられますから、何でも即答!というわけには行きません。私たちの質問回答における生命線は、各専門分野における先生方との人的なネットワークにあるのです。 そんな先生の一人に奥野敏夫先生という方が見えます。奥野先生は、今年の3月で日本航空を退職され、今は、福島県の山中で山小屋を自作される生活を送ってみえるのですが、現職時代のキャリアは華々しく、現在の機内食システムの基礎を構築された事をはじめ、首相訪中や天皇訪米の政府専用機の機内食を全て取り仕切った事など、フードサービスの側面から数々の歴史的な場面に立ち会ったご経験をお持ちです。 先日、その奥野先生から突然、電話がかかって来まして 「イッコー君、君は、食事の前にどうして手を合わせて“いただきます!”って言うのか知ってますか。」と勢い込んで言われるのです。 「ええ?そりゃあ先生、食べられることに対する感謝の気持ちを表すためでしょう?」 「ふ_ん、じゃあ、どうして手を合わせるのかね。感謝の気持ちならば、頭を下げて“ありがとう”って言えば良いでしょう?違うかね?」 「ああ、そう言われればそうですねえ…。どうしてなんでしょう?教えて下さいよ。」 すると、奥野先生、実に愉快そうに「あははは!」と、笑われて、 「ああ、良かった、イッコー君も知らなかったかね!結構結構、じゃあ教えてあげよう。つまりね、“いただく”のは食卓に上った動物や植物の“命”という意味なのだよ。わかりますか?」 「へえ?ああ、なるほど!!だから手を合わせて…、つまりあれは墓前に祈るのと同じ意味があるのですね?」 「うん、冥福を祈って、そして“命”を“いただきます”と言う訳。どうです、面白いでしょう?」 「ホントですね。面白いですよ。凄く真面目で神聖な感覚ですね。」 「そう、神聖だね!小生もね、長くフードサービスに関わって来たくせにね、今日の今日まで知らなかったのです。こんな事も知らずに一人前に大きな顔をしていたんだ。恥ずかしい…、実に恥ずかしい想いがした。」 「でも、先生、光栄ですね、わざわざそのために私にお電話を下さった訳でしょ?ありがとうございます。」 「うん、小生はもう、人前で恥をかく機会はほとんど無いけど、イッコー先生は、まだまだ講義もやるだろうから、こういう常識、知らないとマズイと思ってね。」 「ありがとうございます。今度関東に行ったら、お礼させて下さい。」 「ははは、良いんだ、本心を言えば、君が知らなくて“ホッ”としてるんだ。だからドキドキしてましたよ。あっさり正解を言われるんじゃないか!ってね。」 「先生、弟子と張り合うのはやめてくださいよ。」 その後、奥野先生はひとしきり最近の雪印問題や、遺伝子組替え食品を擁護する立花隆氏の姿勢を嘆かれ、電話は切れた。 しかし、この“いただきます”の話、幼稚園児や保育園児が、入園して最初の給食を食べる時に教えるようにしなければ、いつか必ず失われて行ってしまうでしょう。家に帰って家族に話した処、70歳を越える父親だけは知っていました。そして、元教員の父ですが、それを児童生徒に話した覚えは無いそうです。 食事の「文化」。でも、消費・変化の激しい今の日本、食事に関する「文化」だけでなく、様々な分野で貴重な「文化」がどんどん姿を消して行ってしまっています。 ですから、せめて“いただきます”の意味、心に留めておいていただけると幸いです。 (財団法人服部公益財団 YAMASA食品安全研究所 所長 金田一宏)
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「敬語について」:グエン ティー フーン チャー さん(ベトナム)日本語を勉強した人なら、だれでも敬語を勉強したことがあると思います。敬語は最近若者たちにあまり使われていないので、いつしかなくなってしまうのではないかと心配になります。これは日本人に特徴的な美しい伝統的な文化の一つだと思います。ですから、私は勉強しながら使ってみています。でも、うまく使えないときがよくあります。自分が経験したことについてお話したいと思います。 敬語で間違いをしたことがありますか。普通の日本語も難しいですが、特に敬語は大変難しくて、使いたいのですがなかなか思うように出てこないときが多いです。なぜならば尊敬語か謙譲語かが頭に思い浮かばないのです。 前はアルバイトをして、お客様に何を言わなければならないのか暗記しました。お客様にお金をもらうとき、「お預かりします」返すとき、「お待たせしました、お返しします」と言うべきでしたが、「お預かりになります」「大変お待ちしました」「お返しになります」と言ってしまった人もいます。ほとんどのお客さんはやさしくにこにこ笑うだけでした。しかし、ある人はちょっと冷たい視線でにらんで去って行きました。多分その人はただ「あれ、私がお客様なのに、そんな謙譲語を言われて一体誰なの」という好奇の目で見ただけかもしれません。でも、間違っても私たちは敬意を表したいです。ですから、一番簡単で、多く使われているのは「お」をつけることです。ある授業で先生が普通の言い方を敬語に変えるという問題を出しました。それは「前から田中さんから聞いていました。釣りが好きだそうですね。」という文でした。何人もの学生が「おまえから聞いていました。おつりがおすきだそうですね。」と言いました。そうすると、先生はユーモアを交えながら、「はい、おつりはだれでも好きですよ」とやさしくおっしゃいました。そして「おまえ」はあなたの意味ですよ。一生懸命敬語を使っている私たちはぼんやりした後に分かってきて、クラスが割れんばかりに大笑いになりました。 日本の文化、日本人の繊細な言い方、日本人社会の社交のしかたなどを知りたいので、私は大学院で敬語を研究することにしました。勉強したうえで、実践したいですが、最初は間違いを避けられません。ですから、自分を上に上げたり、相手を下に引っ張ってしまったりした言い方をしてしまいました。でも、私達は敬語を使って心から敬意の表現がしたいのです。 ある私の先生の言葉を借りて私の話を終わらせたいです。「敬語は日常生活に不可欠なことです。うまく使ったら豊かになります。敬語を怖がらないで、使って御覧なさい。間違っても、日本人は皆さんの敬意があると分かってくれますから。」そうではないでしょうか皆さん。もし、違ってもやさしく笑って許していただきたいと思います。 | |||||||
![]() 平成14年4月8日(月)、YAMASA言語文化研究所 愛知日本語研究センターでは第21期生の入学式を行いました。今回入学した74名の学生は、(スイス・中国・香港・台湾・韓国・メキシコ・スウェーデン・イスラエル・アメリカ・スペイン・フランス・イタリア・シンガポール・マレーシア・イギリス・オーストラリア・ロシア・タイ・フィンランド・コロンビア・モンゴル・ペルー)以上22の国または地域からやって来ました。彼ら新入生を加えて全校生徒は144名となり、これから岡崎で日本の生活と日本語を学んでいきます。YAMASAでは、日本語を学ぶ外国人学生と地元の皆様との国際交流会を積極的に開いていますので、これからも直接お目に掛かる機会が多々あると思います。今後ともYAMASAの学生をどうぞよろしくお願いします。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | |||||||
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※答え
問1 4
問2 1
問3 2
問3 4
問3 3
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| ホストファミリーを募集しています。詳しくは飯島までご連絡ください。 | |||||||
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●編集・発行●
服部公益財団YAMASA言語文化研究所 444-0832 愛知県岡崎市羽根東町1-2-1 tel:0564-55-8111 fax:0564-55-8113 E-mail:info@yamasa.org ホームページも是非ご覧下さい |