YAMASA通信 No.52 2003年4月1日(火) YAMSA言語文化研究所・隔月発行
YAMASA言語文化研究所のホームページはこちら             FMおかざきのホームページへ

各クラスの代表者が、あおいホール壇上にてスピーチをしました。
「日本・日本人」をいろいろな角度からとらえているすばらしいスピーチでした。
各クラスの代表者・題名・最優秀賞スピーチを発表いたします。


「クラス代表者」                   「Gクラス ロジャーさん」


最優秀賞・学生賞


「日本人の丁寧さ」

アリーン・ライアンズ

皆様、おはようございます。

初めて日本へ来た時、私は日本語にとても自信を持っていました。夜のクラスで日本語の勉強をしていたから、英語の先生の仕事は問題なくできるだろうと思いました。でもね・・・それはちょっと・・・
実は丁寧なます形しか勉強しなかったので日本人もます形しか使わないと思いました。ます形なら、ある程度会話がわかったり話したりすることができました。しかし、日本人は様々な話し方をします。ですから普通に話す人と会った時、困りました。
例えば、学校の教頭先生の道村先生はある日「アリーンさん!ランチに行こう!」と言いました。「ランチ」は英語からのカタカナ語なのでわかりました。「に」は、に・で・は・が。まあ、そんなに大切ではないでしょう。そして「行こう」。行こう?どう言う意味?「アリーンさん!ランチに行こう!」と道村先生が繰り返しました。えー?どうしよう?わかりません!どんなにゆっくり話してくれても、どんなに大きい声で話してくれても、わかりません!パニックになってしまいました。そして国語の先生の市川先生は「アリーンさん、ランチに行きましょうか」と誘ってくださいました。あーやっと何かわかりました。あれ?「行こう」・・・「行きましょう」・・・あ!わかりました!
そして日本語には普通形とます形だけではなく、もちろん敬語もあります。携帯電話を買おうと思いお店に行って質問した時のことです。「この携帯は外国に電話することができますか? 敬語を使わないでもらいませんか。あの、はい、か、いいえ で答えてもらいませんか。」そしてもう一つ。冬休みに日本へ戻ってきた時、家の電話に変なメッセージがありました。話は速くて、敬語が一杯使われていて、まさに丁寧な日本語でした。一分ぐらいのメッセージだったのに言葉が三つしかわかりませんでした。その言葉は「多治見」、近くにある町の名前です。「警察」。そして、「携帯」。どんな話でしょうか。何回聞いてもその三つの言葉しかわかりませんでした。気になっていました。そして次の日学校にあいさつがてらお土産を差し上げに行きました。私の困った顔を見て、道村先生は「アリーンさん!どうした?」と聞きました。私は変なメッセージについて説明しました。「じゃ、多治見警察署に電話しよう!」と道村先生が決めました。
「もしもし、岐阜県立明智商業高等学校教頭の道村と申しますが、何でうちの英語の先生に変な電話をしたんだ? はー ・・・うん・・・そうですか・・・すみません。」「 アリーンさん!」 「はい?」
「アリーンさんの携帯電話は?」
「 ない!」
実は名古屋空港へ行った時、電車の中で携帯がポケットから落ちてしまいました。誰かが携帯を拾って警察に届けてくださいました。道村先生の車で警察署に行って、道村先生は警察と話してくれたり、用紙を書いてくれたりしました。とても助かりました。
このような経験から、丁寧さはやはり日本人にとって大切なものだと気づきました。それで私も丁寧な言葉を使えるようになりたいと思いました。そしてある日、日本語はだんだん上手になってきたので、その先生達に会いに行こうと思いました。すごく丁寧な手紙を書きました。市川先生は「アリーンさんのすごく丁寧な手紙を見て、びっくりした」と言ってくださいました。よし!私の日本語の実力を見せてやったと思いました。でも、次の日 の授業で先生に「友達は普通形で話しているから、急に敬語を使ったらその人はもう友達ではない、と言うことになるよ」と言われてしまいました。しまった、丁寧過ぎました!
日本人の丁寧さがわかるためには、まだまだ時間が掛かりそうです。


「モーニング娘。」と「モーニング娘」
 まことに唐突ではありますが「モー娘」の正式名称は「モーニング娘。」であって「モーニング娘」ではありません。そうです、最後に丸(。)が付いているのです。正しくは句点といいます。こういう句点の使い方は認められているのでしょうか。常識的にノーですよね。「そんなのどうだっていいじゃん」という娘どもの声が聞こえてきそうですが、でも念の為いちおう調べて見ましょう。
 三省堂版「新しい国語表記ハンドブック」の「くぎり符号の使い方」に、旧文部省が昭和25年に発表した「国語の表わし方」が転載されていますが、それによると『「。」は、一つの文を完全に言い切ったところに必ず用いる。一一中略一一「…すること・もの・者・とき・場合」などで終わる項目の列記にも「。」を用いる。ただし、次のような場合には「。」を用いない。イ 題目・標語など、簡単な語句を掲げる場合。ロ 事物の名称だけを列記する場合。』とあります。「モーニング娘。」はまさに用いてはいけないケースです。
 やっぱり認められていませんでした。でもあえて句点を付けて命名したということは、それなりになんらかの視覚的効果を狙ったのかも知れません。そうだとすると、それは何でしょうか。句点のあるものと、ないものをジーッと見比べてあなたは何を感じますか。句点がある方がなんとなく落ち着きがあるというか、収まりがいいように私には見えます。小中学生の娘たちがせわしく飛んだり跳ねたりする、その落ち着きのなさに対して、せめて名前で、多少なりとも落ち着いた雰囲気を醸し出そうという意図なのでしょうか。
ううん〜〜。でも、これって深読みし過ぎかなあ。やっぱり「そんなのどうだっていいじゃん。」というのが正解なんでしょうかね。
 岩松研吉郎著「日本語の化学」によれば「。」は広告のキャッチコピーとしては「もうお約束のような止め方」だそうで、最初に使ったのは糸井重里さんの「おいしい生活。」(1982年)だそうです。同書の中で著者は「モーニング娘。」について「グループ名も一種のキャッチコピーであると考えればそれほど不思議ではありません。」と述べるとともに、この種の句点について「キリッとした強い文体に見せる効果」があると言っています。

(YAMASA言語文化研究所 企業日本語教育担当 日本語講師  長門 久明)


日本の民族衣装、夏の定番、浴衣を練習して自分で着てみませんか?
浴衣とは平安時代の貴族から起ったもので、のちに湯から上がった際の汗取りとして着られたものです。
今でいうバスタオルの変わりのようなものです。


  • 日 時:毎月 第3金曜日 14:00〜
  • 開 始:2003年4月18日(金)から
  • 場 所:YAMASA IIビル 306号室
  • 参 加:自由(前もって連絡をして下さい)
  • 参加費:無料
  • 主 催:国際文化交流サークル
  • 連絡先:090-3252-8339 KAMIYA Tomoko
       :0564-55-8111  YAMASA言語文化研究所


日本語能力試験1級(外国人用)に挑戦してみよう!
・次の下線部にはどのような言葉を入れたら良いか?
1・2・3・4から最も適当なものを一つ選びなさい。
問1 議事堂内では   にしてください。

(1)静粛        (2)安静      (3)冷静       (4)静寂
問2 実際の経験に   話は説得力があってわかりやすい。

(1)かかった     (2)基づいた     (3)かかわった    (4)兼ねた
問3 両親は子供の成長に目を   める。

(1)高         (2)広       (3)狭        (4)細
問4 この問題は難しいのでなにか   をください。

(1)ヒント      (2)ケース     (3)ポーズ      (4)パターン
問5 彼にいくら言っても   だよ。

(1)のれんに腕おし  (2)枯れ木の山の賑わい  (3)高みの見物   (4)知らぬが仏
問6 会社の不祥事に   の狭い思いをした。

(1)親身       (2)骨身       (3)肩身       (4)細身
問7 完璧さを追求する   まわりの人に嫌われてしまった。

(1)まで       (2)ばかり    (3)ところ      (4)あまり
問8 趣味の時間も生活に   いる。

(1)織り込んで    (2)押し込んで  (3)差し込んで    (4)駆け込んで
問9 病人のために   に看病した。

(1)人道的      (2)絶対的     (3)献身的      (4)実用的
問10 志望校は実力に   ところを選びなさい。

(1)似通った     (2)見合った   (3)届いた      (4)間に合った
※答え 問1  1
問2  2
問3  4
問4  1
問5  1
問6  3
問7  4
問8  1
問9  3
問10  2

ホストファミリーを募集しています。詳しくは飯島までご連絡ください。
● YAMASA通信ではみなさまからのご意見、お便りを募集しています。お手紙、FAX、Eメールで承っています。どしどしお寄せください。
●編集・発行●
服部公益財団YAMASA言語文化研究所
444-0832 愛知県岡崎市羽根東町1-2-1
tel:0564-55-8111 fax:0564-55-8113
E-mail:info@yamasa.org
ホームページも是非ご覧下さい



TOPページへ