YAMASA通信 No.61 2004年10・11月号 YAMSA言語文化研究所・隔月発行
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 平成16年10月4日(月)、YAMASA言語文化研究所 愛知日本語研究センターでは第26期生の入学式を行いました。今回入学した98名(就学生+AIJP秋期)の学生は、【ハンガリー・台湾・韓国・シンガポール・アメリカ・フランス・スリランカ・イギリス・スウェーデン・スイス・ドイツ・カナダ・チェコ・香港・イタリア・スペイン・南アフリカ・中国・インドネシア・ブラジル・ベルギー・オーストラリア・フィリピン・ベトナム】以上24の国または地域からやって来ました。これから、彼らはこの岡崎で日本の生活と日本語を学んでいきます。YAMASAでは、日本語を学ぶ外国人学生と地元の皆様との国際交流会を積極的に開いていますので、これからも直接お目に掛かる機会が多々あると思います。今後ともYAMASAの学生をどうぞよろしくお願いします。

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「YAMASA(日本)に来て」
Nguyen Thi Thu Hang(ベトナム)


 日本に来てから、まる一年間になりました。この一年間、何をしていたかというと、ヤマサで色々な国から来た学生と一緒に日本語を勉強したり、遊んだりしていました。そして、保証人さんの家族と過ごしたり、日本人の友達とあちこちへ遊びに行ったり、日本のことなどについて話したりしていました。また、日本人と一緒にベトナムの料理を作ったりしました。

【日本語の勉強について】
 私は教え方にうるさい人間なんです。そして、日本語の先生と言えば、南学の先生をおいては、誰もいないと思い込んでいました。でも、知らないうちに、ヤマサの先生のやり方に魅了されました。先生方は、頭の中にものを入れるのに人一倍時間がかかる私が新しい文型や表現が納得できるように、手を変え品を変え説明してくれました。また、ひねくれものである私のプリントを見るのに、時間がたくさんかかると思います。プリントにいつも丁寧に説明を書いてくれているのを見て、感動して、やる気がもっと出てきました。私ごときが今、日本語がすらすら話せたり、書けたりしているとはもちろん思いませんが、前書いた文章よりはるかに今書いた文章の方が上達しているということなどを自分自身感じることができて、とてもうれしいです。それは、私の努力と先生方が熱心に応援してくれたことが相まった結果なのではないでしょうか。

【授業で困ったことが弾みになって、考えさせられたこと】
 楽しんで勉強できたので、授業はいつもあっという間に終わってしまいました。けれども、困ったこともあります。政治と関係があるニュースの時間とか、歴史や地理などについて関係がある会話や作文の授業の時、とても困りました。なぜかというと、そういうような社会問題に関する知識が全然なかったので、産みの苦しみで、意見を言おうにも言えなかったからです。他の国の学生が堂々と発表できるのを見て、うらやましい限りでした。そういう授業になかなか解け込めませんでした。社会問題に関する知識がないのは、確かに自分のせいに違いありません。しかし、それは自分の国の教育システムに影響を与えられた結果だと思います。社会知識が貧しいのは何も私に限ったことではないのです。もし、その時、他のベトナム人の学生がいたら、その人も私と同じように困ったところでしょう。授業で困ったことが弾みになって、ベトナム人の一人として、こう真面目に考えました。私の後輩たちに私たちのように困らないで欲しいなと。歴史の授業で「アメリカに勝った」ということや、地理の授業で「私たちの国には豊かな資源がある」ということや、政治の授業で「〇〇さんはいくつかの勲章を受けた人だ」ということなどについてではなく、それよりも、学生たちに政治・歴史・地理についてせめていわゆる「基礎の知識」を得るため、教えるようになれば、いいなぁとひしひしと思っています。

【旅行】
 日本にいるうちに日本語を勉強するのみならず、日本のあちこちへ遊びに行こうと思って、学校の合間を縫って、友達と旅行していました。今まで行ったところは 名古屋・京都・奈良・千葉・東京・鎌倉・姫路城・尺島・倉敷・岡山・高松・富士山です。すしづめ状態の電車にのったこともありますが、どんな旅もいい思い出になりました。お台場で見たRainbow Bridge やステキなゆりかもめ・東京タワーの上から見えた日本・後楽園と栗林公園の景色・尺島で乗ったボートから見えた海...何もかも何とも美しくて、生きていてよかったとしみじみと思いました。

【旅で考えたこと】
 旅行したとき、日本の美しさをじっくり見ることができて、言うまでもなくよかったですが、一緒に旅行した仲間の心もよく分かるようになりました。ユーモアがある心遣いの日本人のおじさんや、面白くて心が暖かい日本人の友達や、几帳面で知識が豊かなイギリス人の友達や、人当たりが良くて親切なほかの外国人の友達のおかげで、言葉では言い表せないほど意味のある旅行ができました。
 ちなみに、富士山に登ったことも話したいと思います。私も入れて、8人でお盆休みを利用して、富士山に登ることになりました。富士山に登るのに、どんなに大変か実際に体験しないと分からないでしょう。甘えん坊の私が頂上まで登れるなんて、本当に夢のような出来事でした。一緒に登った仲間の応援を抜きには、頂上どころか、五合目までも行けなかったと思います。皆は自分も疲れていたのに、いつもお互いのために、頑張ったり手伝ったりしてあげました。皆で富士山の頂上で日の出を迎えた時、つい泣いてしまいました。その時の私の気持ちは本当に複雑でした。広大な自然の中でちっちゃな私は、廻りの風景をじっと見ながら、人間関係について深く考え込んでいました。

【友達とのこと】
 ヤマサがきっかけで、色々な国の人と出会って、一緒に話したり、お互いの国のことについて聞いたりすることができて、とても楽しかったです。みんなにベトナムの習慣・料理・着物などといった伝統的なことを紹介した時、ベトナム人にして、ベトナム人にあらずという感じでした。そのような体験が弾みになって、ベトナムにいたときは自分の中のベトナム人としてのアイデンティティに気づきました。そして、言うと一笑に付されるかもしれませんが、ベトナムのことをいかに愛しているのか分かるようになりました。
 色々な国の友達ができて、本当に幸せです。最初のとき、相手のことがまだよく分からなかったので、腹を探りあって、話していましたが、だんだんお互いのことが分かってきました。親切なイギリス人の友達のこと・勤勉な韓国人の友達のこと・優しい台湾人の友達のこと・心が暖かい中国人の友達のこと・冗談めいた話し方をする香港人の友達のこと・人見知りでおだやかなアメリカ人の友達のことは、私にとって、貴重なことで、大切に思っています。中でも、中国人とアメリカ人の友達が誕生日パーティーをやってくれたことです。料理からケーキやろうそくに至ってまで、準備してくれたのを見て、目頭が熱くなりました。そんなことまでやってくれた友達は「本当の友達」でなくてなんでしょうか。国籍を超えて、「本当の友達」ができたのはステキなことだと思います。

【大人らしく考えたこと】
 日本に来てから、もちろん悪いこともありました。岡崎公園で変なおじさんに汚い言葉で声をかけられたり、夜道で変な人に追いかけられたりしたことです。そう言えば、駅に泊まったことまであります。それはアメリカ人の友達と二人でちょっと離れたところに住んでいた中国人の友達のうちへ遊びに行ったことです。三人で話に夢中になっていて、時間をすっかり忘れてしまいました。思い出したとき、もう10時30分でした。友達のうちに泊まったら、何も問題がなかったかもしれませんが、次の日の朝、他の約束があったので、帰らなければいけませんでした。よりによって、間違った電車に乗って、変なところまで行ってしまいました。仕方がなかったので、駅に泊まるしかありませんでした。駅に泊ったとき、多くの人が家がなくて、そこに泊まっているのを見ました。こちらも、駅に泊まっていたのに、私たちとは何か違いました。その人たちのことを見ると、助けてあげたい気持ちはあるのですが、私の力ではいかんともしがたいです。「そうか、家がない人がいるのは何も私の国に限ったことではないんだ。」と思いました。そういう事情を見るにつけ、「自分が何人の人より貧しいかではなく、自分より何人の人が苦しんでいるかということこそ考えるべきだ。」と言った昔の先生の言葉を思い出します。物価の高い日本に住んでいるお金のない私は他の人のように欲しいものが手にできないだけにがっかりしたことも時々あります。けれども、駅に泊まった人たちのことがきっかけに、それはよくないと今更ながら、再認識させられました。  

【日本での一番良かったことは?】
 一年間、母の心尽くしの手料理を食べたり、父に甘えたり、お姉ちゃんとしゃべったり、私が心を許すことができる親友である犬のロッキーちゃんを抱いたり、ベトナムの友達と遊んだりすることができませんでした。そして、夜中、おなかが痛くて、なかなか寝られなかったとき、隣に優しいお母さんがいなかったから、自己憐憫におぼれたこともあります。また、アルバイトで寝る時間がなかなかなくて、大変でした。けれども、この一年間、日本料理・自動販売機・新幹線、そして温泉・着物・浴衣、また紅葉・雪・桜・花火などといった「日本のもの」を満喫することができて、何よりもよかったと思います。その本物の美しさをみて、ベトナムにいる家族と友達に送りたいほど感動しました。
 ある日、友達に「日本に来てから、今まで一番良かったことは何ですか。」と聞かれましたが、しばらく黙っていて「言えません」と返事しました。何にも良かったことはないという意味ではありません、もちろん!どれも素晴らしかったから、どれが一番良かったか、なかなか回答できませんでした。強いて言うなら、保証人さんの家族が暖かく迎えてくれて、色々なことをやってくれたことかなと思います。  この一年間、否、日本で過ごしたこの一年かんは私にとって、夢のような時間です。日本でした体験は評価できないことなので、愛着を持って、大切にするつもりです。また、帰国するとき、持って帰って、家族と友達にプレゼントとして、日本で得たことを教えようと思っています。これから、日本で何の体験ができるのか、楽しみにしています。

【最後に...】
 最後に、保証人さんの家族とヤマサの先生方をはじめ、事務所の方々や寮の管理人さん夫婦、そしてここにいる友達に感謝したいと思います。皆さんの暖かい応援を抜きにしては、この素晴らしい一年間がなかったでしょう。皆さんのご恩を忘れずに、これからも自分なりに頑張りたいと思います。皆さん、これからもよろしくお願いします!




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とても簡単、誰にでもすぐにできます!


  • 場 所:YAMASA言語文化研究所 あおいホール1F
  • 時 間:毎月第1・3金曜日 午後3時より
  • 参加費:無料(どなたでも参加可能です)
  • 連絡先:おかざきニュース 090-9906-4396(山本)
       :clara113@sun-inet.or.jp
       :YAMASA言語文化研究所 0564-55-8111
       ※時間や場所が異なる場合もございますので、参加希望の場合は必ず、前もってご連絡をお願いします。




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