YAMASA通信 No.66 2005年8・9月号 YAMSA言語文化研究所・隔月発行
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プーさんのデイビッドさんと悪魔女のヨリマさん
楽しかったハロウィーン・パーティー
デイビッド・スミス(アメリカ)
 多くの学生が利用している、校内のバー「ZIG ZAG」で10月28日(金)、ハロウィーンパーティーが行われました。
今年のこの行事には、約40名の学生と約20名の日本人のお客さんが参加しました。さらにプロDJのDJ DANさんの独特なダンス曲がライブで演奏されました。大勢になったところで、デクランさんが審査員になって、コスチュームの競技を行いました。審査を平等にする為に観客からの拍手の強さで勝った人が選択されました。ブレンダンさんの「ぶすのバレリーナ」は、皆にとって明らかに一位でした。
 私は「くまのプーさん」になりました。ヨリマさんは「悪魔女」になりました。でも、「ぶすのバレリーナ」を倒すことはできませんでした。
ブレンダンさんはデクランさんから最上品の日本酒を賞品としてもらいました。

(小さい頃から長年この習慣に親しんできた学生は、なつかしい故郷を思い出しながら楽しんだことでしょう。また、YAMASAへ来てはじめて体験した学生も、同じようにこの行事の雰囲気を、夜中すぎまで楽しんでいました。)

ハロウィーン(Halloween)
 万聖節(11月1日)の前夜。古代ケルト起源で、秋の収穫を祝い悪霊を追い出す祭り。アメリカではかぼちゃをくりぬき、目耳鼻をつけたちょうちんを飾り、夜には怪物に仮装した子どもたちが近所を回り菓子をもらったりする。(大辞林)


SILAC講師 杉浦 葉子
 学生の日本文化に触れる機会、また、他のクラスの学生や先生方と話す機会を増やそうと、毎月、色々な交流会を季節や学生の要望に合わせ、行なうようにしています。9月は「おせんべい焼き」を行ないました。以下は学生の感想です。
林 炯大(韓国)

 学生と先生が一緒におせんべいを焼きながらあらゆる話をして、日本の文化も体験することが出来てすごく良い機会だったと思います。特にすぐ焼けるとか作れるという食べ物ではないので、作るのに時間が長くかかる食べ物だったという点で、より楽しくなったと思います。先生たちもみんな関心を持って参加して、あれこれ作る過程を説明してくれて、日本語の勉強も出来ました。その過程が一つ二つ記憶に残ってYAMASAを去ってもそういう過程が良い思い出として残ると考えられます。
 今回の体験までは、そのまま何の考えもなくおせんべいを食べていましたが、その一つ一つがこんなに複雑な過程を経て作られると思うと、一つ一つのその味が新しく感じられた。赤みがかっている火に一つ二つ入れられて、一つ一つが脹らんで黄色く焼けていった時間がまだ目の前にちらちらします。特にYAMASAの先生方と一緒に焼いて食べた時間なので甘い記憶として残ると思います。一つ二つ長い時間火にかけてようやく脹らみ始め、また長い時間焼いて食べられるおせんべいのように、日本語の勉強も粘りを持って長い時間熱心に取り組まないと結実が結ばれないと思います。
だから…皆さんファイティング!

ダニエル・ブルーナー(アメリカ)

先週、参加したおせんべいパーティーはとても面白くて楽しかったです。日本のあられと甘い醤油は美味しいと思います。また、すぐにおせんべいパーティーをしたいと思います。おせんべいの作り方が上手になって嬉しいです。


  
学生課 今野由香 
 9月2日(釜山)と4日(ソウル)の両日、「2005年日本留学フェア」に、私と星野さんで参加しました。
 釜山会場では、裴(べ)さんが手伝ってくれました。裴さんは、電車で2時間もかかる大邱市から駆けつけてくれました。3ヶ月程前、裴さんがYAMASAに入学したばかりの時に、このフェアでのお手伝いをお願いしました。その頃は、私が伝えたいことがうまく伝わらず、ちょっと不安だったのですが、短期のコース(SILAC)を終えて帰国した今では、全く問題ありませんでした。SILACでの勉強がかなり充実していたものだったのではないでしょうか。
 4日のソウル会場へは、高韶英さん・尹恩貞さん・Han Hee Jungさん・Shin, Kyung Meeさんの他、尹貞美さん(2002年4月〜2003年3月)具泰會さん(2004年4月〜2005年3月)も駆けつけてくれました。
 特に高韶英さんは、最初から最後まで丁寧に説明してくれ、声がかれてしまいました。
 修了生があんなに多く来て手伝ってくれていたのは、YAMASAだけだったのではと思います。おかげで、YAMASAのブースには説明を聞きに来る人が、ほとんど絶え間もなく続きました。いすが足りなくて立ったまま聞く人もいました。
 6人には本当に感謝でいっぱいです。
 そして、6人とも、YAMASAの先生方、事務所のみなさんによろしく伝えて下さい、とのことでした。
 高韶英さんは、農業機械を売る会社で通訳、尹恩貞さんはYAMASA修了後、東京で半年過ごして帰国した直後、Shin, Kyung MeeさんはCASIOで日本語を使ってバリバリ仕事をしています。尹貞美さんは、かばんの貿易の会社で、営業をしており、売上げも多くいい成績とのこと、月に1度は中国か日本へ出張があるそうです。具泰會さんは、社長さんが日本人の上司の下、時々翻訳等をしているそうです。
 それぞれが名刺を持って、交換する姿がとても頼もしく感じられました。

養成講座でのグループ研究発表
養成講座講師  近藤有美 
 去る9月21日、日本語教師養成講座では、全7回の「語彙・意味」の授業の仕上げとして、受講生のみなさんが類義語の意味分析を行い、その発表をされました。各グループ3名で、それぞれが異なった類義語のお題に取り組まれたのですが、お題は、「言う/しゃべる/話す」、「さわる/ふれる」、「意外/案外/思ったより」、「おそわる/ならう/まなぶ」、「きゅうに/とつぜんに/いきなり」、「このごろ/ちかごろ/さいきん」、「困る/悩む/迷う」と、一見難しいものはないのですが、その違いを問われるとどれも頭を悩ますものばかりでした。「私たち日本語母語話者はどのように語を使い分けているのか」ということを考えるいい機会になったのではないでしょうか。受講生の方々からは自分たちが普段使っているものなのに、違いを問われると本当に難しい」、「こんなこと学習者に聞かれたら即答できないものばかり」など、母語話者泣かせのお題にお疲れのご様子でした。しかしながら、どのグループも非常に詳しく分析をされており、同席の長門先生も感心しておられました。

新米教師奮闘記!?
AIJP講師 新井佳代子 
「おはようございます。」(か、かおがこわばるよー。)
「私の名前は、〜。」(緊張するー!)次の瞬間、頭の中が真っ白に。(うわ〜!どうしよー!!)
今年の4月、クラス授業初日の私です。無我夢中の50分間が終わると、どっと疲れました。でも、それは何ともいえない爽やかな疲労感でした。
 この初授業の2週間前まで、私はYAMASAの養成講座の受講生でした。経験も無く、知識も乏しく、若さも無い(!)。こんな私がはたして日本語教師としてAIJPでやっていけるのだろうか?頭のてっぺんから爪先まで不安で一杯でした。そして、それは今でも変わりません。でも教室で、私の言葉を一言一言聞き漏らすまいと、一生懸命耳を傾けてくれる学生たちを前にすると、そんな弱気ではいられません。彼らの期待に答えられるように、がんばらなければという思いは日に日に大きくなっていきます。
 しかし、そんな思いも空回りすることが度々あります。今日の授業は言いたいことがうまく伝わらなかったとか、なんだかよく解ってもらえなかったみたいだとか・・・。反省ばかりの毎日で、時には一気に落ち込むことも・・・。
 そんな気持ちを救ってくれるのは、やはり学生です。何か疑問が解決した時、「あー、わかりました。ありがとうございました。」と、言いながら投げかけてくれる笑顔。その笑顔を見ると、心から「よかった!」と思うのです。この「よかった!」には2つの意味があります。1つはもちろん、理解してもらえて「よかった!」です。そしてもう1つは、日本語教師になって本当に「よかった!」という意味です。
 いろいろな国の学生、一人一人との出会いを大切にしたいです。日本という国を理解し、日本での生活を楽しい思い出にしてもらえるよう、少しでも役に立ちたいと思います。そうすることが、私自身の世界を広げていくことにもつながっていくでしょう。
 要領も悪く、まだまだ未熟者ですが、まわりの先生方に助けていただきながら、学生とともに成長していけたらと思っています。


所長コラム
服部良男 
クッション言葉
 先日、岡崎商工会議所の職員と一緒に電話応対のセミナーを受けた。実は、商工会議所もサービス業なら、もう一度、原点に返り、電話の基本を復習しようと、言い出した本人で、約2時間の電話応対の講習会であった。大変勉強になったが特に、面白かったのが「クッション言葉」という言葉であった。講師によれば、下記のようなことばが、クッション言葉という。

よろしいでしょうか おさしつかえなければ ご迷惑をおかけいたしましたが お手数をおかけいたしますが お休みのところ お忙しい時間に ご足労ですが 失礼ですが 恐縮ですが 少々、お伺いいたしますが 恐れ入ります お忙しいところ 残念ですが あいにくですが お疲れのところ 夜分遅く申し訳ございませんが

 文章の前に前置きとして、優しく、衝撃を緩めるために使う言葉のようである。
 日本語の日本語たる所以である。自分の都合ではなく、相手の立場からの表現である。サービスの基本は相手の立場を認識することから始まる、しかし、そのことが難しい。



メイさん、梓さんが本校に通っていた時、ホームステイでお世話になっていた葛山さんからメールをいただきました。(学生課 飯島由樹子)

 こんにちは、葛山です。
 ご無沙汰しております。お元気でお過ごしですか。実は、今日はうれしいニュースがあります。先日、メイと友達のユージニアが再来日しました。そうです、お電話でお話したと思いますが、メイの誕生日の9月10日に合わせて再来日してくれました。私達家族は、とても嬉しかったです。
 9日の夕方、私はセントレアまで迎えに行きました。すると、メイは少し涙を浮かべ、ユージニアは号泣でした。私も嬉しくて泣いてしまいました。その夜は、5ヶ月ぶりの再会を祝いパパお手製の寿司パーティをしました。
 翌日は、メイの誕生日です。現在、我が家は椙山女学園の留学生の受け入れをしていますが、3組のホストファミリー仲間が集まり、総勢20名でバーベキューパーティを楽しみ、ケーキを食べ、メイの誕生日をみなさんに祝っていただきました。
 実は、メイは4月にホームステイしていた時、このホストファミリー仲間と面識があり、サプライズゲストとして、メイには内緒でみなさんに集まっていただきました。
 メイも、友達のユージニアも驚いていましたが、とても喜んでみなさんと会話していました。香港へ帰国してからも日本語の勉強を頑張っているようですが、こうして私やみなさんと会っただけで、メイは、いっそう日本語を取り戻しているようでした。
 11日は、選挙の日でした。
 私は、選挙会場である子ども達の小学校へメイとユージニアを案内し、学校で写真を撮ったり、日本の選挙風景を見学したりしました。
 12日は、メイとユージニアと3人で万博へ行きました。
 メイは万博は3回目になりますが、私は初めてなのです。ですから、おかしな話ですが、メイに万博案内してもらいました。外国館も企業館もどこに何があるか、メイはよく覚えていました。待ち時間が長いので、その間ずっとおしゃべりしていました。メイとユージニアは、私を真ん中にして広東語でしゃべりまくりでした。私は、右見たり、左見たり、なぜか分からなくても楽しいのです。時々ユージニアは英語で、メイは日本語で話しかけてくれるので会話は成立していました。不思議なものです。
 ユージニアが「私達3人は、ベストフレンド・・・」と言ったので、私が「私は、ママよ・・・」と言うと、「NO,ベストフレンド!!」と言ってくれたので本当に嬉しかったです。来年、私達は、家族で香港を訪れ、メイとユージニアといっしょに香港ディズニーランドへ行く予定です。
 それから、あずちゃん(上野梓さん)と メールでお便りしていますが、学校が始まり忙しい毎日を送っているようです。4年生になり日本語の単位もしっかり取って、また1つ難しいクラスに行ったようです。そして、音楽の勉強も続けており、ピアノを弾いている時が一番楽しいという事、また、日本に来て日本語の勉強をしたいと書いてありました。
 あずちゃんと盆踊りへ行った時写真を撮ったのですが、それを見ていると楽しかった日々をよく思い出します。
葛山 真理子(名古屋市)


留学アドバイザー 山本裕美 
 A.C.E.留学センターは服部公益財団が日本から海外への留学を希望する学生や社会人のための「留学支援活動」として、今から5年前の2000年3月に運営をはじめました。
 海外からの留学生を受け入れているYAMASA言語文化研究所内にオフィスを設けており、インターネットが普及したおかげで、全国どこからでもご相談を受けつけ、サポートができるようになりました。今では、北は北海道、南は沖縄までサポート利用者は600人を越えています。
 「Keep smiling......(^∪^)」
 この言葉は、お客様がご出発される時に渡す最後の書類で、現地からメールをいただいたお返事の最後に必ず書く言葉です。これは私自身の留学生活が終わろうとしている時に、先生からの手紙の最後に書かれていた言葉です。
日本人は「笑顔」が苦手です。しかし、その「笑顔」の大切さは留学中に学んだことの一つでもあります。家族と離れて知らない土地、「笑顔」で何度となく救われました。
 バス停で朝一緒になるおばあさん、ホストファミリー、お店の店員さん・・そして、先生。
 留学は楽しいことばかりでなく、辛いこともたくさんあります。
 そのときにも「スマ〜イル〜」と先生はいつも励ましてくださいました。留学生活での大きな壁を乗り越えるためにも、そして自分がいつも前向きでいるためにも「Keep smiling」と願いを込めて言葉を添えています。そして、その通りみなさん「笑顔」と一緒に帰国されて「楽しい思い出」というお土産をいただいております。
 今では旅行感覚で「留学」することもできますが、留学は「旅行」ではありません。
 留学に対する不安も一人一人違います。サポートが必要な面も一人一人違います。
 留学の疑問や不安、お手伝いが必要であれば是非一度お問い合わせください。
 「笑顔」でお待ちしております。 


日常の授業から

 日本語を外国語として習う場合の学習の方法として、文型練習は大きな割合を占めます。
 日本に生まれ、日本で育った場合は、幼少の頃から、周りの大人たちに、様々な文型を、数え切れないほどの頻度で投げ掛けられながら育ってきました。そして、母語として身につけ、自分の思いを正確に表現できるようになってきます。しかし、完全に習得した段階では、小さい頃の練習の過程を思い出すことも意識することもほとんどありません。何の苦労もなく身につけてきたとさえ思ってしまいます。
 一つの言語を習得する過程は当然のことながら、幼児が母語を習得する過程に似ています。毎日の文型練習は、言語習得において欠くことのできないものであり、日本語教育の大きな柱の一つといっても過言ではありません。
 今回は、単なる文型練習にとどまらず、日頃の思いや生活を読んだ、ウイットに富んだ短文を紹介します。

「〜(というもの)は〜だ。」
  ● プレゼントというものは、値段じゃなくて心をこめることが大切なものだ。(リュウさん 台湾)
  ● 名前というものは、存在を表現するものだ。(カンさん 韓国)
  ● 時間とは、幸せとは逆に速く、遅く経つものだ。(スミスさん アメリカ)
  ● 自由というものは、行使すると他人の自由に限りを与えるものだ。(アビエールさん アメリカ)
  ● 人間というものは自分で命の絵を書く画家だ。(ヨリマさん メキシコ)
  ● 大成功というものは失敗の変化したものです。(キャロリンさん フランス)

「〜は〜のようなものだ」
  ● 男というものは、女のATMのようなものだ。(ソさん 台湾)
  ● 恋愛というものは、綱引きの勝負のようなものだ。(チョウさん 台湾)

  また、日本の伝統的な五,七,五の短詩型の語感を習得することも、日本語の理解にはとても大切なことです。
○スミレさんの作品 (台湾)
  ● 爽やかな 君の微笑み 我が心地
  ● 旅立ちや 秋の醍醐味 山登り 
  ● 寂しげな 夜半の月宮 寒稽古
 ● 師走の日 胸一杯を 前に行き
 ● 忘れんぬ 愛する人よ 淡心
  ● 古里に 父母の御身を 寒見舞い
  ● 細やかな 夕闇の空 赤い星
○ジェイミーさんの作品 (アメリカ)
  ● 似合わぬよ 葉の真似しても プラ袋
  ● 暁に 清らかな夢 積雪か
  ● 弧を描き 雪の塊 赤い頬
  ● 赤とんぼ 残された巣(クモ)に 掛かったよ
     共に待とうよ 晩秋の期
  ● 細雪 より吹く風に 詠み残す
     冬のソナタの 言えぬ美わし


■ 編集部より ■
 新たに後期入学生94名を迎えて、現在、約230名の学生が、日本語・日本文化を学ぶ為に日々研鑽をしています。勉強も大切ですが、今は晩秋、紅葉の時期を迎えています。週末には、錦繍の日本の秋も堪能して欲しいものです。

ホストファミリーを募集しています。詳しくは飯島までご連絡ください。
● YAMASA通信ではみなさまからのご意見、お便りを募集しています。お手紙、FAX、Eメールで承っています。どしどしお寄せください。
●編集・発行●
服部公益財団YAMASA言語文化研究所
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