YAMASA通信 No.70 2006年4・5月号 YAMSA言語文化研究所・隔月発行
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 3月・4月は日本全国で卒業式や入学式が行われ、数々の別れと出会いとが見られました。YAMASAにおいても、多くの人がキャンパスを去り、また多くの人が新しい仲間となってくれました。

修 了 式

 3月24日には、AIJP コース(長期生)の修了式が行われました。65名の学生がYAMASAでの生活を終え、それぞれが選んだ人生の次の段階へ向けて、巣立っていきました。
 日本の大学・大学院に進む人、日本の企業へ就職する人、そして、懐かしい母国へ帰国する人など様々です。
 YAMASAでの勉強と日本での生活経験を生かして、益々元気で活躍していって欲しいと思います。そして、いつの日か、またYAMASAに来てくれることを願っています。 

入 学 式

 4月7日に、AIJPコースの入学式があり、新たに89名の学生が入学しました。
 約20の国と地域から、それぞれに大きな目的と希望をもって来日し、YAMASAでの生活を始めました。勉強だけでなく、日本での生活も十分楽しんで、素晴らしい思い出をたくさん作ってくれることを期待しています。
(年度当初の学生の出身国、地域別の割合は2ページグラフ)

 3月・4月は日本全国で卒業式や入学式が行われ、数々の別れと出会いとが見られました。YAMASAにおいても、多くの人がキャンパスを去り、また多くの人が新しい仲間となってくれました。


AIJP 中村宙志

 こんなに多様な国からの学生が集まる日本語学校は初めてで、最初はとまどうことばかりでした。
でも、学生たちの熱意に励まされ、なんとかこれまで続けることができました。
 気がつくと、もう桜の季節です。学生たちの日本語習得のスピードには遠く及びませんが、私自身も、教師あるいは人間として、少しは成長できたように思います。
 私はこれで当分日本語教育から離れることになりますが、ここでの経験はきっとこれからも役立つはずだと信じています。
 学生の皆さん、それから、先生方と職員の方々、本当にどうもありがとうございました。
 頑張ってください!

お世話になりました

3月末に学校を辞められた先生方
(敬称略)

中村宙志  鵜飼美紀

久野恵理  大西香織

河口苗子  八田裕子

立山佳代

よろしくお願いします

4月1日付けで次の先生方をYAMASAにお迎えしました。(敬称略)

佐野真弓  熊崎早苗  永木佐知  彦坂芳宏  鈴木加珠子 高山英子  高梨健治
田畑理咲  堀籠未央  岸 優香  大屋未生  本多泰子  堀井奈保子 浅岡兼代
恩田かおり 松村綾乃  中下裕香  三島あゆみ 鶴田恵美

「お世話になります」
 AIJP 佐野真弓

 初めて岡崎に来たのは面接に伺った折で、岡崎駅前の交番でYAMASA言語文化研究所の場所を教えていただきました。その時、偶然駅前にYAMASAの学生らしき皆さんがいて、なんとなく外国に来たような気がしました。
 そんな私も今では岡崎市民、そして、YAMASAの日本語教員として働かせていただくこととなりました。まだまだ私の行動範囲は狭いですが、学校の外で学生の皆さんに偶然会ったりすることもあります。スーパーの袋をカゴに入れて、自転車に乗っている私を見かけたらぜひ声をかけてください。
 できるだけ早く皆様のお力になれるよう全力を尽くしますので、今後ともどうかよろしくお願いします。
『ドッカーンッ!!!!!と最後の一言…』

AIJP 杉浦葉子 

「いい加減にして下さい!!」
「先生も、いい加減にして下さい!!」…ドッカーンッ!!!!!

 言葉に興味があって、日本が好きで、日本語を勉強したいと思っている人に日本語を教えたい。…そして日本語教師になる。…学生がどんどん上手になっていく。…日本文化や日本語を教え、色々な国の人たちから色々な国のことを学ぶ。国際的で楽しい仕事。…それは夢のまた夢だった。漠然にも具体的にも描かれていた日本語教師像とは全く違う日本語教師に私はなった。
 宿題をしない。寝起きの顔で、血色の良い頬で、お腹が痛かったので遅れました、と言う。努力もしないで分かりませんと言う。…理解できない、この態度!ずっとどうやって指導すればいいのか、どうすれば私の指示を受けるのか、どんなペナルティが効果的か。そんなことばかりを考えて教壇に立つ日が続いた。そして学生と私との距離はどんどん広がって、とうとう…。
 その日は読解。学生にとっては少しレベルが高いものでかなり集中していないと解けないようなものだった。全然集中しない学生がいる。注意してもヘラヘラ笑っているだけ。他の学生への影響も考え、授業後に話をしようと思い、呼び止めた。でも振り向きもしない。もう一度大きな声で呼び止める。逃げる学生。追いかける私。腕を掴んで「いい加減にして下さい。」と叫ぶ。返ってきた言葉は「先生も、いい加減にして下さい!!」その瞬間、自分の心臓がドッカーンッ!!!!!と音を立てたのを聞いた気がした。
 今まで学生ばかりにやる気を求め、努力を求め、何かを押し付けてきたのかもしれない、と初めて自分自身を振り返った。申し訳なく思うより先に恥ずかしかった。逆の立場に立って授業をすることをいつ忘れたのだろう。それから、授業の仕方と言うよりは学生への目の向け方や話しかけ方を変えるよう心掛けた。
 学期最後の授業が終わり、その学生は私のところへスタスタと近づき一言。「どうもありがとうございました。杉浦先生。」お礼を言ってくれたことはもちろんだが、私の名前を呼んでくれたことに感激した。言葉が伝えるものは、文型や文法の正確さが全てではないのだと感じた瞬間だった。
 今、自分自身が思い描く自分に向かって進めているだろうか。あのドッカーンッ!!!!!と、あの最後の日の一言が、日々の私の背筋を伸ばしているように思う。

卒業生からの手紙

2005年3月に卒業して、母国ベトナムで、日本語教師として活躍中のハンさんから日本語で現況の報告がありました。

みなさんへ・・・心の洗濯
グエン・ハン(ヴェトナム在住)

 先生になって始めてのコースが終わり、休みに入りました。先生方から「楽な気持ちで学科を担当するように」とか「あまりがんばり過ぎないように」などとアドバイスされていましたが、準備が大変だったですし、先生として無我夢中で緊張のし通しでした。この数ヶ月、正直なところ楽な気持ちで仕事に取り組むことはできませんでした。そのためにストレスがだんだん溜まっていったようです。とても長く感じたコースがようやく終わった時、「ほっとした」というのが正直な気持ちでした。仕事のことを一時忘れて、思い切り休んでリセットしたいと思いました。そして、友だちと遊びに行ったり、好きな読書をして、久しぶりにゆっくりした時間を過ごすことができました。甥たちを相手に遊んだのも気晴らしになり、「心の洗濯」ができました。
 HV大学から日本語の学歴を書くように言われていたので、家で日本語学校の修了書を探しました。修了書と一緒に日本留学中の記録評価表や授業でいただいたプリントなども出てきたので、思わず懐かしくなって一枚一枚ゆっくり見てしまいました。苦しかったこと、楽しかったことが思い出されて、涙が出そうになりました。
 留学中、苦しくて勉強を途中で投げ出したくなる時も何回もありました。でも私がこれまでがんばれたのは、先生方に温かく叱咤激励していただいたお陰だと思っています。私が提出したどのレポートにも先生方がていねいに添削してくれて、最後に必ずやさしいコメントが添えられていました。特にやる気を起こさせたのは、私がほんとうに力を出し切って書いた作文が認められ、誉められたときでした。そのコメントを何度も読み返し、もっともっとがんばろうという気になりました。
 葉子さんからも時々アドバイスされていましたが、私は今まで、生徒を誉めることが何故かできませんでした。これからは上手にできた生徒には誉めてやるようにしたいと思います。
 書類を捜していたときに出てきた留学時代の作文に「自分の感情を上手に表現していました。とても感動的で素晴らしい!」先生のこんなコメントを読み返して、また、「心の洗濯」ができました。休みに入って一週間余りが過ぎました。この一週間で十分リセットできました。新しいコースのことが気になってきました。そろそろ準備をしようと思い、VJCCへ行ってみました。事務所にはえりこさん・タオさん・佐藤さん・ハインさんがいました。みんなが忙しくしている様子を見て、そっか、ゴロゴロしていたのは私だけだったのか、と気恥ずかしい思いがしました。事務所で前に計画した教案や授業のフィードバックを読み直してみました。前回読んだときには気がつかなかった点がどんどん出てきた。これも今回リセットしたおかげでしょうか。こうすればよかったとか、ああすればよかったという思いと共に、直ぐに教えたいという気持ちが沸いてきました。そして、葉子さんのコメントって、厳しい指摘ばかりと思っていましたが、教案を読み直してみたら、ほめてくれたコメントもありました。これを読んで私はまたやる気が出てきました。私って、100%ダメな先生じゃないですよね。また「心の洗濯」ができました。
 次のコースは2回目で初級総まとめを担当することになりました。もう経験したといっても、まだ大変だと思っています。自分として不満が残った教科も多かったです。たとえば、助詞・自動詞/他動詞などの文法や尊敬語・謙譲語などの言葉遣いは難しくて、私自身なかなか正しく使えていません。それなのに、教科を引き受けてしまい大変なことになったと思いましたが、私なりに準備をしたので、とてもいい勉強になったと思っています。トウ先生から、「教えることは学ぶことだ」と教わりましたが、私はこれからも難しいことにもっと挑戦していきたいです。
 ところで、「みんなの日本語」は本当にいい教科書だと思います。生徒はこの内容をしっかり覚えて正しく使えたら、日本語で相当コミュニケーションできるようになると思います。私もこの教科書で正しく教えられるようにしたいです。私の弱い点はいろいろありますが、中でも会話が苦手です。そうそう、発音も…。今から練習して、今度「ぺらぺら」を担当する時までには、もっと上手になっていたいです。HVでは、どんな授業ができるかな。生徒さんたちが面白い授業を期待しているようなので、ガンバルゾ!
 でもがんばり過ぎてストレスが溜まらない程度にがんばろうかな。
 私はいままで、皆さんの支えがあって何とかやってきました。これからも皆さんの支えなしにはやっていけません。そして、皆さんの温かい励ましが私にとって「心の洗濯」になるのです。これからもヨロシクね〜。
カナダ・ベレローズ高校生来校
 3月23日 カナダ国アルバータ州のベレローズ高等学校の生徒、28名が来校しました。高校で日本語コースをとっている生徒の皆さんで、日本での様々な体験を通して日本文化・日本語をより深く理解しようという目的のツアーです。
 12日間の日程の中程で1泊の奈良旅行をした以外は、岡崎を拠点として、県内、近県を詳しく見学して回りました。また、宿舎は大部分が岡崎市内もしくは周辺の市で、ホームステイさせていただき、日本の家族とも交流を深めました。
 京都をはじめとする、常滑、白川郷、彦根などの有名な観光地はもちろん思い出に残ったと思われますが、朝のJRラッシュアワー体験や城西高校での同年代の学生との交流も、日本人の日常生活に触れることが出来たという点で深く印象に残ったことでしょう。
城西高校和太鼓部「彩輝」の演奏を聴いた後、和太鼓の手ほどきを受けました。


YAMASAの学生

Fクラスでは、4月の最初の授業で、お互いにインタビューし合い、友達紹介を壁新聞にまとめました。
一部を紹介します。

トビアスさんを紹介します!

 トビアスさんはスイスから来ました。トビアスさんは山登りが好きだそうです。トビアスさんが好きな食べものは、すきやきで嫌いな食べものは血でつくったソーセージだそうです。
 トビアスさんは8年前、高校生のときに愛知県の犬山へ留学したことがあったそうです。トビアスさんは日本に来る前に大学院で勉強しました。たった一週間前に卒業して日本に来たそうです。トビアスさんは、将来、風と太陽のエネルギーを研究したいそうです。トビアスさんは3ヶ月あと、日本の会社で研修するつもりだそうです。(カリンより)

ジェーさんを紹介します

 ジェーさんは台湾出身でYAMASAで勉強している人です。子どもの時から日本に留学生として来るのがきぼうだったから、今、YAMASAに通っています。
 台湾で軍隊の仕事を終わってから、日本語の勉強を始めました。将来は台湾に帰ってクローン技術を使うお父さんの仕事を引き継ぎます。ジェーさんにとって日本の一番面白いのは漢字です。なぜかと言うと、日本語と台湾語の漢字との違いからたくさんのことを習えるからです。
 ジェーさんが一番好きなのは新しいことを習うことです。でも嫌いなこともあります。嫌いなことは生ものを食べることです。
 趣味は新しい経験をすることですから、今日本ですごく楽しんでいます。(サーラより)

ジョンさんを紹介します

 ジョンさんはアメリカから来ました。ジョンさんの趣味はパソコンを使うことだそうです。
 一番好きなことは電車とか新幹線とかに乗ることだそうです。乗っているときは楽しいですから。一番嫌いなことは雨が降ることだそうです。
 どうして日本語を勉強したいかというと、日本の経済に関係があることを知りたいからだそうです。
 日本へ来る前はアメリカの大学で勉強していたそうです。将来は日本の大学院に入りたいそうです。もっとたくさん経済を勉強したいそうです。大学院に入るために、今年留学試験を受けたいそうです。
 春休みは大阪と京都と奈良へ行ったそうです。二日間旅行したそうです。法隆寺などに行ったそうです。
 「ジョンさんの両親の仕事は何ですか」と聞きました。「私の母は主婦だけど、父は何をしているかよくわからない」と答えました。(ひろより) 

ルーツさんを紹介します

 ルーツさんは1年前スペインから日本に来ました。YAMASAでの勉強は来年の3月までだそうです。ルーツさんの趣味は読むことや映画を見ることや水泳などです。好きなものは市松という人形です。ウソを言う人が大嫌いだそうです。日本へ来る前は哲学と関係があることをしていたそうです。どうして日本語を勉強したいかというと日本の昔の文化や日本語の発音が好きだからだそうです。将来は日本語が使える仕事をしたいと言いました。
 ルーツさんは春休みの間に、日本人の友達と一緒に名古屋に遊びにいきました。もちろん花見もちゃんとしてきたそうです。
 もし、スペインに行ったら、一番のおすすめの料理は、パスイクコントリという所のチピロネスという料理だそうです。(ハクより)


かねてから建設中だっためぐみ幼稚園の新園舎が

完成し、3月27日に内覧会が行われました。

以下は服部理事長の挨拶要旨です。

めぐみ新園舎内覧会挨拶
理事長  服部良男

 本日は月末、年度末にもかかわらずこのように多くの皆様にご臨席いただき、めぐみ幼稚園の新園舎を開校できますことをこころより感謝申し上げます。
 めぐみ幼稚園は、昭和8年(1933年)柱町の正覚寺にて私立岡崎保育園としてうぶ声をあげ、昭和15年11月23日に旧園舎のあった羽根町池下に移転、私立岡崎幼稚園と改称・出発いたしました。
 その後昭和20年7月20日に戦災によりほぼ全焼し、昭和23年再開し、昭和24年3月よりめぐみ保育園となり、昭和38年4月よりめぐみ幼稚園となりました。
 60年経った今回,区画整理事業での移転ではありますが、現地に再度移転することに相成りました。
創設者の服部太郎吉が わたしのいのりとして
 本気でやろう
 きまりよくしよう
 仲よくしよう
が教育の精神としてありますが、新築に際し、21世紀の幼児教育のため、めぐみ幼稚園の新園舎及び、保育のコンセプトを見直すことに致しました。
 デザインに対して人に優しく、コミュニティー(地域)にも優しく、そして地球にも優しく心地よい園舎をお願いしました。
 そして、めぐみ幼稚園の園児が、この園にいるあいだ、太陽、水、土、そして植物など生命を実感でき、そしてその「めぐみ」に感謝できることをお願いしました。
 松崎園長、主任の萩原先生、小原木材の小原さん、コンフォートメディアの伊藤さん、加藤さんを中心に、多くの人と時間をかけコンセプトづくりと建物の設計をしていただきました。今日このような会を迎えられるのも皆様のお陰と心より感謝申し上げます。
 また建築に関しては、小原木材の都築部長、現場の荻野さんを中心にみなさんのお陰で無事完成することができ、こころより感謝申し上げます。
 最後に、この移転に関して、地域の総代の皆様、住民の皆様に大変ご理解を頂き、御支援も頂いたことも、高い席からですが、御礼申し上げます。
 今日このように素晴らしい舞台ができあがりました。この舞台の上で、こどもたちが、太陽、水、土、植物などの生命のめぐみを感じ、感謝ができ、幼稚園が、人に優しく、地球にも優しく、地域の皆様にとっても心地よい園になることを職員一同、力を合わせて精進することを誓い、感謝のことばとさせていただきます。
 本日は本当に有り難うございました。


■ 編集部より ■
 日本語学習の動機付けの大きな要因の一つとして、日本文化に対する興味・関心が上げられる。外国人の日本文化に対するこのような思い入れや学習態度を前にして、それに相応しい自信と誇りを身につけているだろうかと自問する。年度始めに思いを新たにしたい。

ホストファミリーを募集しています。詳しくは飯島までご連絡ください。
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